Web担は孤独です。なんで、孤独なんでしょうか?
昔、ウェブに関わるすべての人がSEOを知らなければいけない理由を書きました。ここに乗ってる職業は、実は、すべて一人の自分というWeb担の事です。
去年まで小さいECサイトの運営会社で社内Web担をやってた経験をもとに、なぜ孤独なのか?を考えてみたいと思います。(あくまで、自分の体験ベースです。)
[1] Web担と名乗る人が少ない
Web担は、Web担当者の略です。会社のウェブサイトを担当している人。ウェブサイトの運営に関する仕事をしてる人のこと。ただ、定義があいまいで、Web担と名乗る人が少なすぎます。
そもそも、ウェブ担当だけど、「Web担」という職種があることすら知らない人がほとんどだと思います。
Googleの月間検索数だと、
- ウェブディレクター:1600
- ウェブデザイナー:8100
- ウェブプログラマー:720
- ウェブ担:110
- ウェブ担当:50
- ウェブ担当者:250
圧倒的な知名度のなさぶりです
[2] Web担はどこにいるの?
ウェブの仕事をしていても、Web担とかいう人に会ったことが無い。という人が大半だと思います。僕もそうでした。どこにいるんでしょうか?
Web担という仕事。この職種が必要な会社を考えてみます。
ウェブ系の会社の場合は、ほとんどの場合、この職種の人は存在しません。なぜなら、もっと分業されてるからです。
サイト制作の会社の場合は、ディレクターとデザイナーが大半を占めてます。システム会社の場合は、SEとプログラマー、サーバーエンジニアです。
サイト運営の会社、つまり、ウェブサービス、情報サイト、ECサイトなどを運営しているウェブ系の会社の場合。
大手は、同じように分業されてます。自社内にプロデューサー、ディレクター、デザイナー、プログラマー、ライター、マーケッター、果てはソーシャル担当まで置いてます。Web担という雑多な事する人はいません。
ということは、残りのサイト運営をメインにする会社で、中小企業。むしろ、零細企業にしかこの職種の人はいないです。つまり、分業できないくらいの規模の会社で、要するに何でも屋さんをやってるということです。
あとは、非ウェブ系の会社で、自社のコーポレートサイトの運営をちゃんとやってる会社。で、専業で人を置いているところ。まぁ、あんまりないと思います。
大体は、外注してるか、ちょっと詳しい人が片手間にやってるか。または、社長や営業さんがブログを更新してるか。どれかだと思います。そういう人はWeb担とは名乗らないと思いますし、Web担という名称も知らないかもしれません。
[3] 何やってるかわからない
Web担という仕事が、分業されてない会社にしか存在してないので、その仕事内容は意味不明です。
経験談で申し訳無いですが、僕がやってた仕事です。ちなみにECの運営会社ですので、そっち方面に偏ってます。
サーバー系
- ドメイン管理(取って使えるようにして、更新する)
- サーバー設定(メアド作ったり、DNS弄ったり、FTPのアカウントとか、htaccessとか)
- VPS/専用サーバー初期設定(契約して、とりあえず、メールとウェブが使えるようにいろいろやる)
- そもそも、どこ使うのかを決める
プログラム系
- ちょっとした修正(なんかバグってる、連携先の仕様変更で動かないとか、を直す)
- 簡単なシステムを作る(EC-CUBEとかのプラグイン作ったり、標準ではできないキャンペーンとかやるなら出来るようにする)
- 内部で使うシステムを作る(オーダーを管理するシステムとか、サイト更新のためにExcel・Accessで効率化)
- 外注するなら、どこを使うか決めて、納期を催促する
デザイン系
- ちょっとした修正(古いサイトが新しいブラウザで崩れるとか、なんか見難いからなんとかするとか)
- 予算がないのでスマホは自社で(ええー!)
- そもそもどこのデザイン会社にするか決めて、ダメ出し。する
スタートアップ
- 新しいサイトの立ち上げに関すること全般(上の3つ全部とサイト企画です)
- 新しいモールへ出店する事務関係もろもろ、商品データの変換&投入、コンテンツの投入など
- と言うか、そのサイトは必要ないと思います。既存サイトでやった方がいいですと説得する
コンテンツ系
- どんなコンテンツがいるのか考える(ECなんで大したこと無いけど)
- 必要なコンテンツを書いて、コーディングして、更新する
- メルマガのネタを考える
商品系
- リスト化して整理する
- 写真とって加工して、デザイン会社へ送ったりアップしたり
- 在庫管理
分析系
- Google Analyticsを眺める
- んでオーダーが少ないか考える
- 価格調査(値段高すぎるじゃん!)
広告系
- どんな広告するのか考える
- マーケティング会社を決める
- デザインを外注するなら、案考えて、文面考えて、会社決める
- ソーシャルとか面倒くさいなぁ
- 楽天の営業マンとは付かず離れずほどほどに
キャンペーン
- キャンペーン考える
- デザインいるなら、なんとかするか、頼む
- システムいるなら、なんとかするか、頼む
SEO
- サイトの構成を考える段階で組み入れとく
- システム設計にも組み入れておく
- TABLEレイアウトするデザイン会社なんか使わない
- 全部画像で作ってくるデザイン会社は駆逐する
- キーワード考えながら、コンテンツマップや商品説明やページを作る
- SEO対策会社の営業電話を丁寧にお断りする
雑務
- お客さんのメール対応
- 電話対応
- 営業さんの相手
- パソコンのインストール&設定
- メール送れないから何とかして!
- 僕のスマホがなんかおかしいんだけど・・・
要するに、他の人がやらない事、全般ということです。
[4] 仕事してない時間も忙しい
やらなきゃいけない事がありすぎますので、忙しいです。さきほど書いた、サイト運営・構築に関する全般の知識が広く浅く必要です。
システム、デザイン、企画などのクリエイティブな事、SEOやサイトの問題発見などのアナリストの役割、コンテンツ作ったり、写真撮ったり、メルマガ配信などのいわゆる作業。
タイプの違う仕事を数十分~数時間単位で切り替えてしないといけないのは、頭の切り替えが結構大変です。逆に、飽きにくいというメリットはあります。
一人で複数サイトをやってて、新しいサイトの立ち上げ準備しつつ、既存サイトを更新して、画像の加工しつつ、キャンペーン考えて、プログラム組みながら、お客さん対応したり。という中で・・・
レスポンシブデザインを勉強したり、HTML5の本を読んでみたり、動画入れてみようかなぁとか思ったり、SEO対策を追いかけたりしてます。お家でね。
さらに、コンテンツマーケティングとか言われたら、鬱になります。
ソーシャル展開? 死ねばいいのに。
[5] 表に出てこれない
仕事中も、プライベートも忙しいので、群れる余裕がありません。
勉強会なんか参加してる暇ないので、社外コミュニュケーションが構築できない。もちろん、社内でも孤立してます。
何年か前に他のWeb担と交流したくて、TwitterでWeb担やってる人を探してみたけど、あんまりいませんでした。
Twitterをしてないのか、Web担と書いてないのかはっきりしませんが、多分、個人ではTwitterとかしてない気がします。もうWeb担じゃないけど、もしこれを見てくれてるWeb担さんでTwitterしてたら、メンション送ってください。
まとめ
僕の経験談から考えるWeb担が孤独な5つの理由でした。事実に基づいたネタですので、その辺は汲んでください。
やること多すぎて、忙しいので、仲間と群れることが出来ないので、Web担さんを見かけたらやさしく同情してあげてください。もし、他のWeb担さんを知ってたら、紹介してあげると、すごく喜ぶと思います。
これ書いて思ったんですが、Web担とすごく似てる職業がありますね。まだそっちの方が仲間が多い分、気持ちに余裕が持てるかもしれません。
おまけ1:Web担のキャリアパス
これを見てくれてるWeb担さんがいて、将来について悩んでるなら。きっと大丈夫です!
いつまでもWeb担として現場にいるわけには行かないと思いますので、ある程度経験したらジョブチェンジをオススメします。
(僕は10年いた会社を去年辞めました。今、無職ですけどねw)
ウェブサイト運営に関する広範な知識は、あらゆるものに役立ちます。
会社員で行きたいなら、ウェブディレクター、マーケッターを目指しましょう。
現状に問題を抱えている制作会社(デザイン、開発のみから脱却したいと思ってる会社)は、マルチな才能をもったウェブディレクターを欲しています。適任です。
独立・起業願望があるなら、ウェブプロデューサーを目指しましょう。
もうすでにその能力は持ってるので、目指すものでも無いと思いますが、マネタイズ戦略、企画力、マネジメントとかをもっと伸ばせば、きっとすぐです。こっちの方が面白いと思います。
おまけ2:Web担当者通信
広告で申し訳ないです。
Web担当者向けのオンライン勉強会&コミュニティ的なサービスがあります。勝手にWeb担向けの二大サイトの一つ(もうひとつは、当然、Web担当者Forum)と思ってる、Web担当者通信のプレミアムサービスです。
勉強することがありすぎるWeb担向けに、毎月、課題に対する解答という形で情報誌が送られてきます。紙ベースなのが僕は好きです。やっぱり文字は印刷ですよ。
Web担の重要なスキルの一つに「捨てる技術」があると思ってますが、その判断にも使えます。
つまり、ここで紹介された情報は最低限知っておくべき事。されてないことは、興味ないなら、捨ててもOKかなぁ。こうでもしないと時間がいくらあっても足りません。
他に過去のセミナー動画見れたリします。詳細はサイトで確認して下さい。
こういうサービスはだいたい怪しいものですが、講師陣のラインナップを見ると安心できます。多分、知ってる方が最低でも数名はいると思います。
さらに広告的で大変申し訳無いです。
増税前の3/31までに申し込むと2,980円/月で今後もサービスが受けれます。4/1以降は、3,980円です。ちなみに、僕も入ってます。